なんで堺(地方)でベンチャーやるの?

我々グラムス株式会社はなかなかに多国籍なチームながら、大阪の堺市という歴史あるシブい地方都市に本拠地を構えて運営しています。

ベンチャーやスタートアップというとやはり日本では東京、大阪では大阪市内(梅田や最近は西中島も!)に集積してますよね。

そういった各社さんや周辺関係者の方々からお話を伺うと、やっぱり近くに集まっている事でいろんな面でメリットがあるんだなぁと感じます。

もちろん距離が最大の理由ではないにせよ、距離が一つのきっかけにはなっているんでしょうね。

弊社も東京に拠点があって私自身そちらにいる事もありますので、その際はそうしたコミュニティーに参加させていただき、そこでいただいたご縁で様々なメリットを享受した経験から実は我々も移転を考えた事が過去に数度ありました。


そやけど結局今もこうして堺(地方)にいてまんねん。


堺にとどまってる理由

特に最近周囲の皆様に「なんでまた堺(地方)?」って聞かれる事も多いので考えてみました。

  1. 俺ん家が近所だから
    ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
    一応ファウンダーなものですから、オフィスって集中できる別荘みたいなものでして。それが徒歩圏内って最高じゃないですか。自分事ですが自宅はチビッ子達のジャングルになってますので静かに考える時間なんて取れませんし。特に立ち上げ時期はほとんどの場合終電気にして仕事してる場合じゃありませんしね。
    *ちなみに今弊社では夜7時回ったら僕以外誰もいませんよ。

  2. なんせ家賃が安い
    小さな会社にとっては固定費ほどインパクトが大きいものはありません。
    今月売上少ないから家賃も下がるとか、そんな従量課金物件はないでしょうし。(あるんかな、そんなサービスあったら神やん。)
    弊社の入居するオフィスビルは私の感覚では見た目も全然悪く無いし、最寄り駅から徒歩10分、10人強が余裕もって座れる執務室、MTGルーム兼応接室も設置できて、賃料10万円切るくらいですからね。まぁ堺でも場所によりますが、東京の方はビックリでしょう?

  3. 出勤しやすい
    堺の方向は大阪の中心地から逆方向です。なので朝のラッシュ時も結構電車空いてるんですよ。
    まぁ俺はチャリ通やけどな。
    出勤ってストレスかかりますからね。ただゆったりできるなら電車の中でできる事も多々あります。中心地から逆方向ってそういう点では結構良い気がしてます。

  4. 中心地まで近い
    大阪府外の方は仕方ないとしても大阪府内の方も堺って遠いイメージをお持ちの方がいらっしゃいますが、梅田からは30~40分、難波から急行で10~15分と、イメージよりは近いんです。なので用があればこっちが行けば良い訳です。
    大阪以外にも中心地から1時間以内の距離で交通の便も悪く無い地方都市ってありますよね。

  5. 空港が近い
    関西国際空港まで急行で30分くらい。朝一の飛行機に余裕で間に合うので実は当日に出発して9時に品川で打ち合わせとか可能だったりします。国内線だったら搭乗手続きそんなに時間取られないし今はLCCも充実しているので空港近くの地方都市ってベンチャーに最適なんちゃうかと思ってます。あと重要なのは、国際空港に近い = 海外にも近いと言えます。Hello World!

  6. 実質採用も今のとこ問題無い
    こんな小さな会社で郊外に位置してますとさすがに日本人技術者の方の採用はまぁアレですが...弊社はキモとなる開発人材については英語がOKなら国籍関係無いので各国からそこそこご応募いただけているのと、今はまだ誰でも良いから頭数を増やせば良いというフェーズでは無いので、この点において堺(地方)でデメリットはあまり感じていません。
    特に創業期のベンチャーでは、働く上で「都会じゃないと」とか「オサレオフィスがいい」みたいなチャラい事の優先度が高い方はそもそも目的違うので続きませんし採用のミスマッチはダメージ深刻ですから逆にスクリーニングされて良いかと思います。
    一方、業種にもよりますが最初にルールをしっかりと決めておいて遠隔で仕事するってのも今は可能ですからね。弊社も東京・名古屋にそれぞれメンバーがいて各々サテライトで仕事してますがオンラインミーティングやチャットで全然問題ありません。勿論メンバーが優秀で責任もって仕事してるってのは大前提ですが。

  7. 開発・経営に集中できる
    私、外に出て皆でワイワイやるのもお酒飲んで情報交換するのも大好きなんです。
    ご来訪いただく場合も話好きなんでついつい長話してまうんです。
    勿論経営者としては外遊や交流はめっちゃ大切です。これまでもお付き合いから色んな案件が実りました。一方で我々にとっては研究&開発ができなきゃ話になりません。限られたリソースでは時に外部との交信を断ってでも"集中"して本質的な結果を出さなあきません。まぁバランスですね、何事も。
    堺という度々行ったり来たりするには少し億劫になるくらいの物理的距離が、集中を可能にしてくれるというのもあります。

  8. 堺を知ってる人が多い
    堺も昔は商人の町として歴史にインパクトを与えてきたのでご存知の方が多く、社名は覚えられなくても「ほら、なんやっけ、あの堺で画像切り抜き自動でしてるとこ」みたいな覚えられ方してもらえる(のか?w)。あとサービスがゼンフォトマティックと言うのもあって、"禅"という言葉が堺の茶の湯のイメージとつながる点も相性が良い。ブランディングは大事。
    まぁそんな感じで地方ってベンチャーさんの母数が圧倒的に少ないので目に留まりやすいっていう利点もあると思います。当然サービスそのものの質が重要であることは言うまでもありませんが。
    *ちなみにゼンフォトマティックはネットショップ用に撮影した商品写真に対し背景の白抜きや切り抜きをしたり被写体のセンタリングやその他諸々の商品画像加工作業をオリジナルの画像解析アルゴリズムで一括で大量に自動処理するサービスです。

  9. 重要なメンバーであるママさんたちも堺だから
    これは結構大きい理由です。現在弊社で2名のママさんが非常に重要な役割を担ってくれていますが、彼女たちは子供を預けている保育園の近くで働く必要があります。これ結構切実で、彼女たちが働きやすい環境にあることは会社にとってすごく重要なので。
    そしてこれは会社のフェーズや規模に限らず日本全体の課題でもありますね。ママさんって本当に優秀な人沢山いるのに保育園近くみたいな縛りで仕事探さざるをえない方が多いので、特に郊外では積んできたキャリアに見合う仕事場が無いケースも多々あります。
    事業は人也とも言います。その点で見るとある意味需要に対して供給が少ないとも言えるので互いのニーズも合ってチャンスだとは思うんですよね。

  10. 会社自体がどこにあるかは実はあまり関係無い
    最後にひっくり返すんか〜い!
    ってつもりでは無くて結構真面目に。
    我々は勿論自身の事業であるZenFotomaticに心血注いでいますが、最も重要なのはその事業も含めた人生をどうハッピーに生きるかという事でして、そもそも地球にしょうもない境界線を引いてビジネスするつもりはありません。
    現に我々が解決したい問題はどちらかというと国内より海外の方が多く発生しています。しかしその問題を完全解決するためにはまだまだ走りながらの研究開発が必要です。その点日本はそういった事業を行うには様々な面で恵まれた環境です。(その恵まれた環境ってのはこちらのエントリーの最後の方で書いてますのでよろしければ。)
    その点では1~9の理由を鑑みると所在地が堺(地方)でダメな理由の方が無いんです。

と、まぁこのように我が町堺というより地方でベンチャー(もはやその定義がわかりませんが)をやる理由みたいなのを私視点でツラツラ綴りましたが、ご注意いただきたい点は、とは言っても結局事業の内容によるという事です。

いろんな情報や風潮で凄まじい情報量の昨今ですが、やっぱり本質的に他の誰でもなく自分がどうありたいのかという事、ここを考える事から始まるんじゃないでしょうかね〜。

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